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成人式の着付けは青春の思い出と華!でも振袖はいつから始まったの?

女の子も二十歳には成人式の着付けをし、一生の思い出に記念撮影をします。そして成人式の集いに参加したり、友人や家族とお祝いをしたり。でも成人式の着付けは難しいものです。しかし昔は振袖の着付けを成人式に、が当然でした。ここではその華やかさや時代的違いを見てみます。

成人式の着付け―振袖の華やかさーその歴史は?

成人式は女の子の成長の中でも最も華美で、人生の中でも最も美しい時期に美しく着飾るという、一種の儀式ですね。その着付けも華麗にまとめ上げ、髪型やかんざしもその女性と着付けに合った豪華でお洒落なもの。ぜひ写真館で思い出の1枚を撮っておきたいーそう思う二十歳の娘さんや家族の想いが結晶となって一生残る大事な日です。

成人式の髪型も、今は様々あるようですが、最も好まれるのは結い上げたヘアスタイルのようです。昔は黒髪が当然でしたが、現代では髪をややブラウンにカラーリングしても、結い上げた髪型は可愛らしく、かんざしも着物の色合いと調和したものを仕上げとして髪に刺すようです。しかし、自分一人で成人式の着付けをする人は今はほとんどいないでしょう。美容院でしてもらうのが一般的のようですね。

もともと振袖の長い袖には「厄をはらい、清める儀式」に通じる意味があります。
幸せを願う祈りを込めてまとう振袖は、人生の門出の日にふさわしい第一礼装です。

出典:http://www.prism-kan.com

振袖は江戸時代の初期より、未婚女性の正装としてさまざまな「晴れの場」で着用されるようになりました。明治時代以降は、主に婚礼のお色直し衣裳と考えられていたようです。

出典:http://www.prism-kan.com

成人式の着付けでは振袖のパターンが決め手!

振袖の和柄をじっくり見てみると、実に様々なデザインがあることに気づきます。一番好まれるのは、このローラさんが着ているような花柄でしょう。その他にも和柄には日本にしかない伝統の美しさがあるのです。どのようなデザインがよく選ばれるのか、ここでは3種類ほどに絞ってご紹介しましょう。

花柄の振袖―牡丹

まるで薔薇のように堂々と咲き誇る牡丹。この豪華な花柄を着物に取り入れ、戦国時代や江戸時代の美人が着こなすと、どんなに人目を引いたことでしょうか。これから花開く二十歳の成人式の着付けにもまさに相応しい花柄、それが牡丹でしょう。牡丹には、実は次のような意味がありました。

お花は人生花開くといわれ特に牡丹や芍薬は幸福の象徴とされます。
小さな丸いつぼみから大輪の美しい花を咲かせるからでしょう。
若い女性が着やすい模様では牡丹が代表的。身につけると幸福祈願になるのでおすすめですよ。

出典:http://matome.naver.jp

この振袖は「大輪牡丹」の花柄です。牡丹の花は花弁も大きく、誇らしげに見えるので、小さな花模様よりも成人式のような着付けの場合には艶やかさが一層映えると言えるでしょう。

「大輪牡丹」の名にふさわしいたっぷりとした牡丹!
とってもゴージャスですが、レトロな雰囲気が漂っていてオシャレです。

出典:http://www.wafukan-ichi.jp

赤地に映える大輪の牡丹の花々が華やかで、
凛とした雰囲気が目を引きます。
黒の色彩を効果的に合わせて、古典ながらもモダンな振袖です。

出典:http://furisode.kimonoyasan.co.jp

牡丹の花は「花の王」と呼ばれるだけあり、その豪華さには本当に溜息が出てしまいます。成人式の着付けにはまずこのような大振りの花柄が選ばれるようです。成人式の着付けとなると、一生に一度の思い出として、シックでありながらモダンな牡丹の花が好まれるのでしょう。振袖が豪華な分、かんざしは控え目にして、振袖の着付けを一層際立たせているようですね。

桜の花柄の振袖

若い女性の美しさ、愛らしさを表現したかのような桜の花柄。成人式の着付けにも、これから新たな季節を象徴するのと同様、新たな人生を描いてくれる桜の花柄です。白い花びらの降り積もったかのようなデザインが黒地に映えて美しいですね。

牡丹の次によく好まれるのは、何と言っても桜の花柄ではないでしょうか。白く、またはややほんのり桃色に染まった春を象徴する桜の花。雪のように目が覚める豪華さには古来から日本で愛され続けてきた凛とした大人らしさが漂います。この桜の花柄を成人式の着付けに選ぶと、大事な思い出の日が一層引き締まって見えるのではないでしょうか。日本人の、控え目でありながら、和の美の心を引き立たせる花の代表です。

日本の文化は、諸行無常の概念を含む仏教の影響と結び付いたものが多く見られます。こうした概念と桜の花が結びつきは、日本固有の自然情緒や精神を第一主義とした18世紀の学者、本居宣長に起因するとも言われているのです。

出典:http://www.alc.co.jp

花のはかなさ、美しさと命の短さは、生き物の命に結び付けられ、日本文化に溶け込んで象徴的な存在とされるようになりました。こうした思想を背景に日本の歌には、花そのものよりも、散りゆく花びらの美しさを詠んだものが多いのです。

出典:http://www.alc.co.jp

日本の春をまるで雪のように木々を飾り、そして短い命で吹雪のように散りゆく桜。二十歳という年齢も、一生に一度しか訪れません。その美しい瞬間を桜の花柄の着付けに託してみるのも、日本女性の心を一度だけゴージャスに演出できるというものです。白を基調とした生地もありますが、朱や黒などをシックに取り入れた桜の花柄の振袖もあります。牡丹の花柄と比較して、迷ってしまうところですが、成人式の着付けをストイックに決めるなら、やはり桜の花が一番と言えましょう。

鶴や植物をパターンとした振袖

やはり黒地に真っ白な鶴のコンビネーションが美しい和柄です。鶴柄を振袖にした場合、松の葉や、更にもっと赤を取り入れた花柄が一緒に描かれ、慎ましやかでありながらモダンな振袖の着付けが映えるのです。

和装に最も良く登場する生き物と言えば、鶴ですね。鶴はその姿の優美さが振袖の着付けをより一層華美にしてくれます。その羽根を広げた姿は孔雀の尾のようで、和の美の象徴の一つでもあります。赤地や黒地に鶴の模様を織り込むと、慎ましやかと同時に愛らしさも演出できますし、振袖の着付けにもぴったり合う上品な和柄と言えるでしょう。

鶴は縁起が良いとされる紋様の一つです。
「鶴は千年、亀は万年」というように、長寿延命の象徴として知られていますが、
鶴は一度夫婦になると一生連れ添うことから夫婦円満の象徴でもあるのです。

出典:https://www.sophia-co.co.jp

鶴は長寿や吉兆のシンボルとして、古くからモチーフに用いられる事も多く、折鶴など タトゥーデザインとしても人気があります。

出典:http://www.luckyroundtattoo.com

鶴の和柄はまず「縁起が良い」ということで平安時代からも好まれてきました。鶴のモチーフと小ぶりの花柄、葉などと組み合わせるのも伝統的な着物のデザインです。鶴のデザインは花嫁衣装にも用いられますが、成人式の着付けの際にもよく好まれるようです。青地や赤地の中に鶴が舞う振袖はおめでたい印象が強まり、成人式の着付けにもぴったりくるのではないかと思われます。

確かに、振袖は未婚の女性の特権とも言える豪華さ、華やかさの一言に尽きますね。結婚してしまうと「既婚女性が振袖とは可笑しい」と思われるのが日本の慣習です。それにしても成人式に選ばれる着物の美しさには思わず溜息が出てしまいます。『和』の美とでも言うのでしょうか、このような長い振袖、そして日本にしかない着付け。江戸時代初期から続く日本の伝統、それが未婚女性の振袖、成人式の着付けだったのですね。

成人式の着付けー始まりから今日まで

晴れの成人式での振袖の着付け。そもそも、「成人式」とはどういった由来で始まったのでしょう。最初の頃の成人式はどのようだったのでしょうか。成人式での着付けも徐々に変化してきたようです。

成人を祝う儀礼は古くからあり、男子には元服・褌祝、女子には裳着・結髪などがあった。文化人類学や民俗学では、こうしたものを通過儀礼(イニシエーション)の一つとして扱う。

出典:https://ja.wikipedia.org

古来は「成人式」という名称ではなく、現在の女性の振袖や着付けの華やかさよりも、男性の「元服」の方が重要視されていたようです。平均寿命の関係から、平安時代では男子は12歳で元服となっていました。「通過儀礼」という意味も現代よりも非常に重要なものとして捉えられていたようです。一種の人生の「区切り」としての儀式めいた雰囲気があったのではないかと思われます。また、女性は振袖ではなく裳着、着付けの上でも一人でこなせるのが和服社会だった日本では当然で、髪型を決める際も今は古くなった言葉「結髪」を自らこなすのが当然でした。

日本における今日の形態の成人式は、第二次世界大戦の敗戦間もない1946年(昭和21年)11月22日、埼玉県北足立郡蕨町(現:蕨市)において実施された「青年祭」がルーツとなっている。敗戦により虚脱の状態にあった当時、次代を担う青年達に明るい希望を持たせ励ますため、当時の埼玉県蕨町青年団長高橋庄次郎が主唱者となり青年祭を企画、会場となった蕨第一国民学校(現:蕨市立蕨北小学校)の校庭にテントを張り、青年祭のプログラムとして行われた。この「成年式」が全国に広まり現在の成人式となった。

出典:https://ja.wikipedia.org

時代を経て、近代になり、敗戦後の将来を担う若者達のために、今から約70年前、「青年祭」の一環として「成年式」が開催されたということですね。この「成年式」がいつしか「成人式」と呼ばれるようになったようです。敗戦後、まだ混乱が続いていた際、こんな式典を催す復興力に感服します。

成人式の着付けと袴スタイル

さて、近頃は振袖に袴をセットにして着付けをする人も増えてきました。この袴は元来、男性の衣服でした。いつから袴を女性は身に付けるようになったのでしょうか。

明治・大正時代に、学校で日常的に着る服として女学生の袴姿が流行したことが、日本の文化として定着した。

出典:https://ja.wikipedia.org

単なる和服、振袖ではなく、袴を履いて着付けのコーディネーションに変化を付け、そして晴れの成人式というスタイルも大変人気があります。明治時代に女性が袴を履くようになったのは、学校で体育が女子学生の科目として取り入れられ、運動しやすいためという目的がありました。現代では成人式の着付けや、卒業式の着付けとして袴をファッションとして取り入れていますね。

明治時代に、女学生が裾を気にしなくてもいいように、と決められた女学校の制服が矢絣と袴です。
女学校の卒業式は制服の袴姿だったので、短大・大学の「卒業式は袴」が今に受け継がれています。
成人式は学校行事ではありませんので、未婚女性の第一礼装である振袖が相応しいのです。
そもそも、昔の女学生も、卒業式には制服の袴をはいても、成人式は振袖です。
折角、写真館で記念写真を撮られても、振袖姿なら成人式、袴姿なら卒業式と思われます。

出典:http://oshiete.goo.ne.jp

こちらの着付けは卒業式用の振袖と袴セットです。卒業式用として振袖を着付けする場合、ブーツを履くというのがお洒落でもあります。一般的に、「成人式なら振袖、卒業式なら振袖に袴」というイメージが定着していますが、中には成人式は振袖に袴の着付けをしたいという女の子も大勢います。成人式も卒業式もとても大事な思い出となる行事。着る人の希望をまず尊重するのが良いでしょう。

成人式の着付けに対する海外の反応は?

成人の日は、1949年から「1月15日」と定められてきましたが、現在では2000年の1月第2月曜日へと移行しました。何と言っても今は華やかさで目を引く女の子の成人式の着付け。皆、様々な思いを込めて、成人式を迎え、着付けをすることでしょう。その日本の成人式の着付けに対する海外の人々の反応はどうでしょうか。

日本の成人式って素晴らしいね、着物を着て式典に参加するなんてちょっと羨ましい!

出典:http://blog.livedoor.jp

まるで魔法のようにエレガントで優雅な彼女達の歩き方を見てほしい。
芸術とはこうありたいものです。
着物を着るということは、
あなた自身の全ての内面も引き出してしまうという事です。

出典:http://kimono-smile.com

私はアフリカ系のアメリカ人です。
日本の文化、芸術、歴史、みんな好きです。
・・・そして着物が非常に美しいものだということを、
今、見つけました。五つ星です。
 

出典:http://kimono-smile.com

一番人気は羽織です。カジュアルホームウエアとして着る人が多いですね。
全体的に、渋い織りよりは華やかな日本らしい絵柄の染めが人気です。
台湾では赤や黄などの派手な色調が好まれます。
一方、フランス人にはシックな黒がとにかくよく売れます。

出典:http://kimono-smile.com

日本人では気づかない、振袖に対する海外の高い評価を読むと、いかに振袖とその着付けの美しさが海外の人々にとって豪華絢爛であることが分かります。日本の女の子は成人式の着付けに喜びを感じても、着物を芸術と考えたことはあるでしょうか。日本の伝統文化の一つである着物を改めて誇りに思いますね。

成人式の着付けはレンタルショップが大活躍!

明治時代以降、洋装が入って来ましたが、洋装をするのは一部の上流階級の人々に限られていました。戦後、それとは逆に着付けに時間がかかる着物よりも、洋服を着る人が徐々に増え、平成の現代では老若男女、日本人はほとんど洋服を普段着としています。そのために着物を着る機会はお正月や成人式など、特別な日に限定されるようになりました。普段から着慣れない成人式などの着付け。もう個人では無理ということで、振袖をレンタルショップに相談し、着付けもお任せという人々が普通になりました。

気になるレンタルのお値段

お店によって違うと思いますが、あるレンタルスタジオでは【お気軽なレンタル】なら3万9800円、【古典柄から現代柄まで】こだわる場合は9万9800円、【最新ブランド、高級振袖を前撮り撮影、成人式当日着付けメアメイク】なら18万8000円ーというように、値段に大変幅があります。それだけに慎重に決めないといけませんね。

ブランド物の振袖も大人気!

普通の振袖とは違うシックで豪華な振袖と着付けをお好みの方のためのお店もあります。【ブランドの振袖に成人式前・後撮影・着付け、フォトヘア、メイク】を1パックとして合計1万7500円から(最低料金)というレンタルスタジオもあります。

レンタルショップのメリット

京都のあるレンタルショップでは、全国に振袖セットを宅配するお店もあります。送料無料で、着用後の返却も無料。成人式の前に着付けをし、前撮りを依頼すると2万9500円から1万円の割引サービスなども行っています。ぜひお値段的にお得で納得のいくお店を見つけて、晴れの日を迎えたいものですね。

いかがでしたでしょうか?普段はセーターにジーンズの女の子も、成人式だけは特別ですね。まるで大輪の花が咲き誇るように、この成人式だけはプリンセスとなれるのです。成人式の着付けのお値段はまちまちですが、自分に合った一着にぜひともこだわって、後悔のない成人式を迎えたいものですね。伝統的な日本の行事、成人式。華やかな着付けをした女の子たちで街が花園のように彩られ、美しく明るい日になるのがとても楽しみですね!

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