シーン別でご紹介する、四十代からの大人ファッションをご紹介します
2016/08/17
にいすけ
2015/11/10 更新
自分のコレクションをランウェイで披露することを夢見て励む若いファッション・デザイナーたち。成功するのはほんの一握りです。では今注目しておくべきファッション・デザイナーは誰なのか?2名の日本人と1名のフランス人に注目します。
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注目すべきファッション・デザイナーは?
パリコレデビューを夢見て、または自身のファッション・ブランドを立ち上げることを夢見て渡仏する若きファッション・デザイナーはどれほどいるのでしょうか。それは大変厳しい世界です。そんな大勢のファッション・デザイナーの中で最近注目を集めている3名をピックアップ。
パリに不法滞在中のファッション・デザイナー
「パリに不法滞在中のファッション・デザイナー」として今年夏にニュースとなったのが大浦雲平(おおうら・うんぺい)。2006年に学生ビザでフランスに入国しパタンナー養成学校で学びましたが、2013年以降はビザが取得できず不法滞在。今年になって正規の滞在許可証を取得するためにある行動を起こしました。
正規の滞在許可証を持たずにフランスに在住している日本人ファッションデザイナーの大浦雲平(Umpei Ohura、34)が先月末、パリ(Paris)の司法宮(Palace of Justice)で、自身の最新ウイメンズコレクションを発表した。大浦の弁護士によると、滞在許可証を取得するための苦肉の策だったという。
大浦の代理人を務めるロマン・ブレ(Romain Boulet)弁護士は、2012年に当時のマニュエル・バルス(Manuel Valls)内相(現首相)が出した「特別な才能」を持つ人に滞在許可証を与えるという法令を根拠に大浦の滞在許可を取得しようと尽力したが、申請は却下された。
パリコレin司法宮
滞在許可証入手のためにパリの司法宮で自身のファッション・コレクションを披露。しかも無許可で。しかしこれで「特別な才能」を持つ人に相当することを認めてもらい滞在許可証を発行してもらう計画でした。
ブレ弁護士は、「この青年は才能にあふれており、フランスは彼を喜んで迎え入れるべきです」「もしこれが特別な才能でないとしたら、誰にそれがあるというのでしょうか?」と話した。「彼は滞在許可証の取得条件を全て満たしています。経済的に独立していて、才能もあります」
結果はいかに?
大浦雲平が立ち上げているファッション・ブランド「クラウド・ロビー(Cloud Lobby)」を展開していくには滞在許可証が必要です。司法宮でコレクションを披露したことにより大浦雲平は才能あるファッション・デザイナーとして認められるのでしょうか?
パリ司法宮にて突然無許可で披露されたファッション・デザイナー大浦雲平のコレクション
パリ司法宮にて突然無許可で披露されたファッション・デザイナー大浦雲平のコレクション
戻ってきたファッション・デザイナー
ステファニー・クデールはフランス出身の女性ファッション・デザイナー。南仏イエールのヨーロッパ新人デザイナーコンテストであるイエール国際モードフォトフェスティバルでグランプリを受賞し、2004年のパリコレデビューという輝かしい経歴を持っていたファッション・デザイナーでしたが、その後表舞台から遠のきパリ郊外で細々と注文服を作る生活をしていました。一体どうして?
10年前はビッグブランドが大人気。自分のような弱小ブランドがショーをしてもなかなか見に来てもらえなかった。それに、微妙な量感にこだわる私の作風では、既製服の大きなブランドで仕事をするのは無理だと気づいた。1人でやっていくしかないなら、パリの風潮やモードのコードにとらわれたくない。自由に創作できる場として20区のベルビルを選んだのです。
ファッション・デザイナー、ステファニー・クデールのインタビューにて
表舞台に返り咲いたきっかけは?
どこにも接ぎがみつからない、布を折り紙のように使う彼女のファッション・デザインを気に入ったある縫製工場の社長の後押しにより2014-2015 A/Wにパリ・オートクチュールのゲストメンバーとして選出されました。
タックを使わず、布を折り紙のようにして平面に切れ目を入れることで、私なりのボリュームを作り出しています。目指すシルエットは“筆”。体の線に沿っていて、筆先が地面に触れるか触れないかという形のイメージです。体と量感の距離が、ある種の慎み深さを感じさせるのでしょうか
ファッション・デザイナー、ステファニー・クデールのデザイン特徴
コレクション最終日、どきっとする新人コレクションがありました。プレタから転向して2回目のクチュールを発表したステファニー・クデールです。小さな円形会場をゆったり歩くモデルたち。どこにも接ぎがみつからない、ゆがみと丸みをボディに添わせた力作です。私が見たこともなかったボディワーク。
ファッション・デザイナー、ステファニー・クデールのコレクションを観たファッションディレクターのコメント
彼女のデザインのアプローチはユニークで立体裁断により彫刻の様に服作りをし、ここから体を流れるようなウェアが誕生します。ロゴを見ずにしても彼女のデザインとわかるほどオリジナリティの高いフォルム。それでいてソフトでライトな柔らかさが印象的。
ファッション・デザイナーのモットー
ファッション・デザイナー、ステファニー・クデールのモットーは人間の尊厳を服で表現すること。そのモットーの背後には少女時代を過ごしたイランとイラクでの経験があります。
「私の果たすべき役割は、女性たちにもっと敬意が払われるような社会になるように、服で提案することだと思っています。自分に自信を持ち、自由と力が持てるようになる服。私は赤ん坊の時にイランに移り、5歳でフランスに戻り、その後イラクで10歳まで育ちました。中東では女性は皆、黒いベールで体を覆っていましたが、私の母は自分好みの鮮やかなドレスを着ることを貫いた。ファッションは地域や貧富の差にかかわらず、人間の尊厳をも表すもの。男性に限らず、女性でも同じはず。肩や袖口の微妙に凝ったデザインや服の形にこだわるのもそうした理由からなのです。」
ファッション・デザイナー、ステファニー・クデールのインタビューにて
注目のファッション・デザイナー、ステファニー・クデール15年春夏オートクチュール
注目のファッション・デザイナー、ステファニー・クデール15年春夏オートクチュール
ファッション・デザイナー古田泰子
世界で非常に注目を集めている日本人女性ファッション・デザイナーが古田泰子。岐阜県出身、1994年エスモードパリを卒業後、2001年に自身のファッション・ブランド「トーガ・アーカイブス」を設立しました。ファッション・デザイナー古田泰子のデザインを一言で表すならそれは「複雑性」。
〈狂気をもちつつも社会に適応する人間に魅了される。TOGAのコレクションには狂気性と美しさに実用性をも兼ね備え両立している。そんな複雑性を持っているブランドだ〉
ファッション・デザイナー古田泰子が信頼するライターMaya Singerのコメント
トーガ・アーカイブスのファン
歌手のレディー・ガガはファッション・デザイナー古田泰子の繰り出す複雑な世界に魅せられたセレブの一人。
日本が世界に誇るファッション・デザイナー古田泰子のコレクションを見たい方は下のリンクからどうぞ。
今後のファッション業界に影響力を持つようになるファッション・デザイナーは生まれるのでしょうか?その中に日本人の名前は?新進気鋭のファッション・デザイナーたちの活躍から目が離せません。
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