アンティークブローチで華やかさUP♪ アンティークブローチまとめ☆
2016/04/21
夢廼あくい
濃い背景に、白く女性の横顔の彫刻…が、カメオのブローチの定番でしょうか。芸術品として重厚感のあるジュエリーとして、貴族の胸元を飾ったカメオのブローチは、現代風にアレンジされて今も人気を集めています。アンティークの逸品から、現代作家の作品まで、ご紹介します。
「浮き彫り」を施した装飾品・工芸品全般のことをカメオといいますが、「沈め彫り」のインタリオも含めてカメオと呼ぶこともあります。
カメオの起源は紀元前3世紀、ギリシャ時代に装飾品をはじめ、お守りなど
神聖なものとして使われていたことから始まります。
一般的にカメオという名称が使われるようになったのは12世紀頃からですが、
その精緻な技法の歴史は古代エジプト時代から脈々と受け継がれてきました。
使われる素材は、シェルやストーン、象牙や珊瑚、木材や金属まで様々ありますが、
古くは半貴石や宝石などのストーンが主流だったようです。
ゲルハルト・シュミット氏作のメノウのカメオです。メノウの色の層をいかして、女性の髪や葡萄が彫り上げられていますね。
横から見た画像がありました! 厚さ13ミリ、5層を彫り分けることで、上の画像のカメオが出来上がっているわけです。手彫りなのにすごい、手彫りだからできる技です。
1797年にナポレオンがイタリアから持ち帰ってから、1880年頃にダイヤモンドが出回るまで、カメオが最高のジュエリーとして貴族の胸元を飾ったと言われます。
当時、ドレスの生地は厚手の重い物しかなかったので、ボリュームのある装飾品が好まれました。高い技術の要る芸術品としても、重厚感のあるジュエリーとしても、ストーンカメオのブローチは当時のファッションにはぴったり合っていたのです。
柔らかなラインで描かれた女性、髪の流れや花飾りまで緻密に美しい、シェルカメオのブローチです。縁取りの金属にも、細かい細工が彫られています。
ギリシャ神話の夜の女神・ニュクスが、二人の子供を抱いて眠りながら夜に漂っている姿です。女神と二人の子供の穏やかそうな表情も良く彫られている、シェルカメオのブローチです。
薄桃色のグラデーションの石に彫られた、見事なストーンカメオのブローチです。一番上の層は頭の白い羽の部分、次に髪や衣服の半透明の薄桃色の部分、その下が白い肌の部分、そして最後が地の濃いワイン色の部分です。
衣装の透けている質感と動きが、つやのある黒バックに映えますね。モノトーンが上品な、ストーンカメオのブローチです。
中世の宗教画のような端正な姿のキューピッドです。ラーヴァ(溶岩)で製作された、立体感のある彫りのカメオブローチです。
象牙(アイボリー)のカメオブローチです。顔立ちや葡萄の房や葉などを浮き上がらせるほどの深彫りは、かなりの技術が要るそうです。
鮮やかな色合いの珊瑚で、花畑に横たわるキューピッドを彫り上げた、サンゴカメオのブローチです。お守りになりそうな、チャーミングなブローチです。
グラデーションを巧みに使って女神プシュケを浮き彫りにした、べっ甲カメオのブローチです。植物文様のような金の縁取りもよく似合いますね。
アントニオ・グアラチーノ氏作の、ターコイズと白蝶貝のカメオブローチです。異素材の組み合わせは珍しいですね。
ピンクサンゴのグラデーションを生かして、自然な色合いに彫り上げた、薔薇のカメオのブローチです。華やかな席に合いそうです。
エルヴィン・ポーリー氏作の、カメオのブローチです。素材は青メノウのようです。形もユニークで、ダイヤ等をあしらった縁取りも似合って、美しいですね。
ピエトロ・シモネッリ氏作のシェルカメオのブローチです。天使や犬モチーフが得意な方らしいのですが、猫の表情が可愛いですね。
中場信次氏作の、柘植(つげ)の木で製作したカメオのブローチです。穏やかな表情が、木肌のぬくもりを感じさせますね。
ジャンナマリア・ガロファロ女史作のカメオのブローチです。金銀や宝石を埋め込む、象眼カメオ(インタルシオ)が特異な作家です。
フィリッポ ガロファロ氏作のカメオのブローチです。シェルカメオに色を着ける「ファンタジーカメオ」を開発しました。
イタリアの作家によるシェルカメオのブローチになります。動物モチーフでは、勇壮な様子の馬が男性に好まれるそうです。
ブローチの裏側です。大抵はこのようなピンですが、ペンダントヘッドとしても使えるように上部に金具が付いていることもあります。高価な装身具ですから、色々使えるのがいいですね。
リネンのマフラーの上に、マフラーピンとして。
ブローチといえば、レースのブラウスの襟元や、ワンピース・ジャケットの胸が定番ですが、こんな使い方もありますね。
他に、小型ならビロードのリボンでチョーカーに、パールのロングネックレスのアレンジに使う、パーティーバックに着けて豪華さアップなども、試してみたいですね。
カメオを美術品として、飾って楽しむ人もいます。身に着けない時だけ、額に入れて楽しむこともできます。彫刻作品としてブローチとしての厚みの分、奥行きや重厚さのある額になりますが、見応えが更に増しますね。
身に着ける芸術品だった時代のアンティークや、今のファッションに合わせやすく工夫された現代作家のものまで、カメオのブローチをご紹介してきました。気になった作品はありましたか? 画像を眺めているだけでも楽しめますが、ぜひブローチを身に着けてみたいものですね。
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