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歴史と共に移ろい変わってきた美しいアンティークの着物たちの集い

江戸時代の上品でエレガントなアンティークの引き振袖です。残念ながらアンティークの着物を再現することはできません。それは色や技術を再現できないからです。そんなアンティークな着物特有の美の世界をご案内いします。アンティークに憧れる現代のおしゃれも紹介します。

美しいアンティークの着物の世界へようこそ

江戸縮緬時代衣装波に小船・雪持ち松竹梅模様刺繍

江戸後期のアンティークの着物です。
今の着物と違って風景画のような柄ですね。
豪華な刺繍は現代の着物では中々お目にかかれません。
細部にまで職人技が光っています。

アンティークの素晴らしい技術

今、私たちは色んな着物を楽しむことができます。
アンティーク柄、レトロ柄、モダン柄など、しかし、いくら柄合を真似ても、もはや作り出せない色や技法、贅沢で豪華な重い刺繍など100%昔の着物を再現することはできません。
例えば、時代劇などで見られる赤い襦袢、あの色は現代の技術では出すことが出来ず、半襟くらいの大きさの物で数万円するそうです。
明治維新後、西洋文化を取り入れるあまり、日本の文化を蔑ろにしたした代償ですね。
致しなかったにしろ、残念でなりません。
そんな良き時代の着物をちょっと見てみましょう。

ガラスの向こうのアンティーク着物 ≪ 江戸時代 ≫

東京国立博物館所蔵の美しいアンティークな着物たちです。
ガラスの向こうの美しい江戸時代の着物をご堪能ください。
今では手に入れることができない豪華絢爛なものばかりです。

見てください、この美しい着物!
柄の松竹梅の全てが刺繍で描かれており、絢爛豪華な様は見ごたえがあり、今なお古さを感じません。
袖の形から察するに、江戸時代前期から中期くらいのアンティークの打掛でしょうか。

裾にまで広がるこの刺繍の見事な事!
かなりな重さになると思います。
贅沢で豪華な金駒刺繍が圧巻です。
アンティークの中のアンティークって感じがしますね。

【 金駒刺繍とは 】
刺繍針に通せない太い糸や、金糸(刺繍糸)を下絵に沿ってはわせ、綴糸(とじいと)で留めていく技法で、 中でも金糸を使ったものを「金駒刺繍」と呼びます。
花嫁衣裳の打掛などにみられる刺繍です。

こちらも豪華な刺繍と雅な友禅のアンティークな打掛です。
江戸時代後期のものだそうです。
赤だとグッと花嫁衣裳らしく見えますね。

白綸子地に松竹梅鶴亀模様

こちらも細かい刺繍が全体に施された豪華なアンティークの打掛です。
江戸時代にどこかのお姫様がこれを着て嫁いだのだと思うと、感慨深いものがあります。
白綸子地に松竹梅鶴亀模様のデザインは武家女性の婚礼衣装の様式ですが、裕福な商家の娘は着用を許されることもあったそうです。

江戸時代後期のアンティークの小袖です。
光沢のある絹に粋なブルーの縦縞。
白く抜いた雪輪模様と扇面の中に風景を描き、全体に梅の木と花を刺繍で彩った小粋で上品で豪華な小袖の着物です。

アンティークな着物の世界 ≪ 明治時代 ≫

浅葱平絹地梅樹几帳模様打掛

華やかで可愛らしいブルーが印象的な明治時代のアンティークな打掛です。
梅の枝に友禅の美しい几帳柄が鮮やかです。
時代劇でしか見ることのない時代にこんなに可愛い打掛があったなんて、いつの世も女性は可愛いものが好きなんですね。

緋色が鮮やかな赤木綿地菊に草紙ちらし模様のアンティークの留袖です。
色留袖にこんなに強烈な緋色を使うなんて現代では考えられないことです。
でも、美しくも可愛らしい留袖です。

紅綸子地 霞松飛鶴文様 絞 振袖

朱赤と白のみのシンプルだけど存在感のあるアンティークの打掛です。
雲、松、空を舞う鶴、上品で品があって、でも現在の着物業界では決して出てこない逸品ですね。

江戸時代の小紋とは柄合が随分違ってきました。
ポピイとマーガレットの明治30年頃のアンティークの着物です。
大正ロマンの片鱗が見えてきましたね。

アンティークな着物の世界 ≪ 大正時代 ≫

白縮緬地紗綾形に花束模様帷子

江戸時代を思い出させる古典柄のアンティークの振袖です。
打掛かと思うほど気品があって豪華な振袖です。
贅沢な刺繍が見られなくなってします。

大正時代から昭和初期にかけてのアンティークの振袖です。
朱赤に可愛らしくておめでたい古典柄は今でも人気で、コピーしたような振袖を見かけます。

枇杷色縮緬地ヨット風景模様着物

大正時代らしい、モダンで色合いの美しいアンティークの着物です。
メルヘンチックな柄が印象的です。
訪問着でこの柄は斬新ですね。

大正時代のセミアンティークの絽の着物です。
シックでエレガントで艶やかな着物ですね。
藍紺の地に季節の花々の刺繍が施されています。
袖から肩にかけての大きく合歓の葉が見事です。
こんな素晴らしい着物、いったいどんな人が着ていたのでしょうね。

大正もしくは昭和初期の銘仙織りのセミアンティークの着物です。
とてもそんな昔に作られたものとは思えない、キュートでガーリーな着物です。
遊び心のあるおしゃれで大胆な柄やコーデが一気に花開いた時代です。
この時代の女性はおしゃれさんが沢山いたんでしょうね。

アンティークな着物の世界 ≪ 昭和時代 ≫

戦前に作られたセミアンティークの婚礼用の振袖です。
総絞りの波文様に金駒刺繍の大きな菊の花が大胆で豪華な着物です。

牡丹に藤模様絞り染風

昭和レトロなセミアンティークの小紋の着物です。
鹿の子絞りと相良刺繍の大振りの柄が艶やかでコーデが楽しめる着物ですね。

戦前のセミアンティークの鮮やかな小紋の着物です。
縦に伸びる竹の幹に丸に草木文様の斬新なデザインと、艶やかな地色とのコントラストが楽しいですね。

鶯色のちょっと渋めの地色に可憐な花々の粋さと可憐さが盛り込まれた戦前のセミアンティークの
小紋の着物です。
戦前くらいのセミアンティークな着物は古着屋さんでGETできるので、実物のアンティークが楽しめます。

戦前のセミアンティークの銘仙の小紋の着物です。
パッチワーク柄がとってもキュートで可愛いですね。

【銘仙とは】
銘仙とは、一般にいう先染めの平織りの着物で、 大正から昭和にかけての女性の普段着やお洒落着です。
可愛い柄、地味ながら、モダンな柄、綺麗な柄まで、友禅にはない温もり感じる着物です。
紬にはない華やかさも魅力です。

戦前に作られた銘仙のセミアンティークの小紋の着物です。
白地にピンクの花柄と葉っぱがチャーミングで可愛らしい着物です。
昭和時代の着物は一番身近で手に入りやすいセミアンティークです。

戦後から昭和中頃の背にアンティークのモダンな銘仙の着物です。
格子柄に3色の大きなドット柄が重なりあったキュートでカジュアルな着物です。
昔の人はこんな斬新なモダンを楽しんでいたおしゃれさんだったんですね。

アンティーク着物を楽しむ ≪ 平成時代 ≫

矢絣柄の小紋の着物に、花柄が可愛い友禅のブルーの羽織、ピンクの帯とのコントラストが華やかなアンティーク装いです。
大正ロマンティックで可愛いですね。

紫色に花輪模様が可愛い小紋の着物と、水色のレトロな松の柄のしっとり大人可愛いコーデです。
地味系が好きな私の着てみたくなります。
大正・昭和のレトロアンティークは色のコントラストが命。
帯をもっと華やかな色にしたらもっと可愛くなります。

紺地にストライプと桐の柄が小粋な小紋の着物です。
地味目の着物に可愛らしい色合いのレトロな帯で、華やかな感じが苦手な人でも着やすいセミアンティークコーデです。

生成り色とブルーの大胆なストライプが目を引く、粋で色っぽい小紋の着物です。
可愛い色合いの帯で色気を上手におさえ大人可愛いコーデになっています。
ピンクの半襟でガーリーにしたり、水色の半襟でしゃれ感を出したり、楽しめる着物ですね。

気持ちが弾む ♪ アンティーク着物

艶やか、華やか、可愛い、粋、それらがひと際引き立つのがアンティーク着物の魅力です♥
大正・昭和のアンティーク着物はカラフルな物やモダンな物がたくさん。
洋服にはないおしゃれを心ゆくまで楽しみましょう。

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