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着物は3代!一生ものといわれる訳は、オーダーメイド仕立てにあり?

着物は昔からその人にあった「お仕立て(オーダーメイド)」が基本です。最近ではお仕立て上がり呼ばれる吊るしもありますが、反物を選んで仕立てるほうが圧倒的に多いでしょう。贅沢なお仕立ての着物、3代着られると例えられる着物に関する技術手法もご紹介します。

着物と仕立てのことについて

昭和の初期の頃まで、着物は普段着ていた服装でした。着付けが大変だと感じている世代にはなんだかピンときませんが、小学生が着物で学校へ行っていたばかりでなく、私たちは動きにくいと感じる着物で農作業や日々の暮らしをしていたのですから驚きです。

最近では、夏祭りに浴衣姿の男女が多くなりました。観光地でも、着物を着つけるサービスや、着物を着て観光すると割引があるなど着物に注目が集まっています。

家族の着物を仕立てるのは、女性の家事の中のひとつでした。嫁入り道具の着物は自分で仕立てて嫁ぐのは当たり前で、「読み・書き・そろばん」と言われる日本の教育の基本項目に女性には「裁縫」がありました。

嫁ぐ前は自分の着物の仕立てを、嫁いでからは家族のすべての着物の仕立てをした女性達。もちろん、職業として仕立てをしていた人たちもいます。内職などでも「仕立てあります。」の札を玄関に掛けてある光景を、時代劇やドラマでも見かけることがあります。

着物を買いに行って戸惑ってしまう、最後にお仕立て代が待っている!

着物を買いに行って、戸惑うことがありませんか?お店に行く前に、予算を考えておきましょう。そして重要なポイントは、入店したらトータルの予算を先に伝えておきましょう。

予算によって対応の悪い店員もいますが、黙っていると着物の購入の場合どんどん金額が膨れ上がってしまうことが多いお買い物なのです。

着物は仕立てる前の反物の状態で売り場にあります。反物なら仕立てる必要があるのはわかりますが、間違えやすいのが訪問着など試着ができるのに、仕立ててある状態ではありません。買ってそのまま着られないのです。

高価な反物は素人目にも良く映ります。欲しいなぁと思っているのを敏感にキャッチするのはさすがプロ!です。これはいける!と思われると、着物だけのつもりが、帯、襦袢、帯紐、帯上げと小物類がどんどん出されます。

果ては、バックや草履、帯どめといったトータルコーディネート一式で、ン十万から百ン万円に膨れ上がります。やれやれ、どうにかセールスが終わったと思って会計に行くと、お仕立て、仕立ての特殊加工、仕立てに使う胴裏などが待ち構えています。

着物を買う時いわれる「一生もの」は本当ですか?

いいものは素敵に見えるのが着物。セールストークは決まって「着物は一生ものですよ。」本当にそうなのでしょうか?

本当に一生着られるのかといえば、「ノー」のほうが多いでしょう。もちろん、喪服は一生着られますが、染の着物は柄にも流行があります。また着ても可笑しくない年齢の色や柄も存在します。着物も洋服と一緒ですね。

絹の染めの着物より一層木綿や麻の織の着物は丈夫で長持ちします。流行柄ではないもの、体系が激変しなければ、防虫や着用後のお手入れをしっかりるることにより高価な紬なども、長持ちという点では一生ものと言えます。

着物を買う時いわれる「着物は3代」は本当ですか?

「着物は3代着られる」これも良く耳にします。祖母の着物を母に、そして孫にという意味です。仕立ての良い上等な生地の着物は、丁寧に保管され手入れされて長持ちします。

花嫁衣装の白無垢や打掛、振袖や留袖など高価でしたので、3代祖母、母、母の姉妹、孫娘たちと使うことがありました。それには、手間のかかる手入れが欠かせません。

虫干しといわれる乾燥した時期に、着物を干す作業を欠かさないのは、折りたたんだままにすると折り目が劣化して布が破れやすくなることや、縫い目かが広がってしまうことをメンテナンスする、カビなどのから守る知恵です。

着ない間でもお手入れして保管すれば、3代着られる着物は嘘ではありません。サイズ直しの仕立て直ししないでという条件付きです。折り込んでいる部分は色が違いますし、縫い目もできています。頻繁に仕立て直しをすると、生地が劣化してしまいます。

着物は一生もの、3代の根拠は仕立て直しと染め直し

仕立て直すことができる着物は幅だしや縮めることができます。色も染め直しという技術もありますので、薄い明るい色の着物を年を重ねたら落ち着いた色に染め直すことも可能です。

また、仕立て直しで胴裏などや帯の芯など内側に使っているものは、新しく挿し替えができ着心地がよくなります。

お仕立て代にある仕立ては、手縫いとミシンがあり手縫いは高価です。ミシン縫いでは2万程度、手縫いはそれ以上、技術の高い職人さんの場合は天井価格です。

お仕立て代の相場

デパートや呉服店など仕立てをお願いするところによって仕立代は変わります。着物仕立師に直接の場合、¥23,000くらいから。海外仕立の場合は¥17,000位、国内仕立は¥20,000円位からです。

仕立て代には、仕立てる着物の種類によって金額が違うところもあります。一般的には、小紋や付け下げより訪問着や留袖は高い技術が必要になります。

仕立て代として含まれる場合と、別に計上される場合と様々ですが仕立てには胴裏と八掛け等も必要です。デパートなど高いところで胴裏は¥12,000、八掛が¥15,000くらいは掛かります。

お仕立てには時間もかかります。通常は1カ月以上、追加料金でお願いする超特急でも1週間は必要です。また、仕立ての特殊加工(防水など)を入れるとさらに時間は必要になります。お店であれこれ勧められて応じ、着ていく予定の日に仕立てが間に合わないことあります。納期は最後にもう一度念を押しましょう。

染め直しも職人さんが少なくなっていますので、かなりいい値段になります。染め直しには、一旦着物をほどいて反物にして染め直し、仕立て直す作業が発生します。手間が掛かる分値段はさらに高くなります。

染め直しの相場

染め直しの相場も留袖、振袖、訪問着、などによって値段が変わるところが多く、¥35,000以上はかかります。この料金にはほどきと仕立て直しが含まれています。

ほどいて染める方法以外に、丸染めという手法が出てきています。丸染めの技法は、ほどかず着物のまま丸洗いして、着物の形のままで染めるため染め上がった後の仕立て代が掛かりません。¥30,000以下でできるところもあります。

おわりに

ちら見せ効果もある着物、美しい襟足は女性の魅力を倍増させてくれます。着物の時のしぐさも自然に優雅になるので、ぜひ外出して女子力アップした姿を周囲に知ってもらいましょう。メンテナンスをすれば、長く愛用できる着物、まずは着付けのやさしい浴衣から挑戦してみてはいかがでしょう。

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