単衣って何?着物の単衣とは夏用に作られた着物の種類の名前です。
2016/05/31
wakahaya
着物って何枚も布を纏うから暑い!盛夏に着るのは無理・・・と思っている方、夏素材の着物があるってご存知ですか?「絽」’と呼ばれる透け感のある織り方の着物です。冬用の袷や、初夏に着る単衣とは違って、絽はとても涼しくて軽いのです。コーディネートと共にご紹介します。
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着物の生地って季節によって異なるってご存知でしたか?冬用の布や夏用の布があり、裏地のありなしでも季節によって異なります。今回は夏用の「絽」(ろ)の着物を中心にご紹介します。
季節別に着物を分類すると、秋から春まで一番着用時期が長いのが袷(あわせ)です。袷は裏地が付いています。5月中旬から6月末くらいまでと9月から10月半ばくらいまで着用するのが単衣(ひとえ)です。単衣は裏地が付いていない分、袷よりも薄くて軽い着物です。次に6月半ばから8月初旬くらいの盛夏に着用するのが絽(ろ)や紗(しゃ)という夏用の着物です。
秋から梅雨時期ごろまで~「袷」
着用時期が一番長く、一番多く流通しているのが「袷」(あわせ)の着物です。着物をはじめたいという方が一番最初に購入すべき着物です。
袷(あわせ)の着物の特徴は裏地がついていることです。つまり二枚の異なる布を縫い合わせているんです。裏地の裾の部分(八掛といいます)をビビットな色にしてチラリと見えるという粋なお洒落も楽しみの一つです。
こちらは表は黒地の着物ですが、八掛部分はエンジ色でカッコいい!歩くときに裾からエンジがチラリと覗く粋な着物です。
初夏や暑さが和らいだ頃に~「単衣」
梅雨ごろになってだんだんと暑くなってきた頃に着るのが「単衣」(ひとえ)の着物です。こちらは「袷)と違って裏地が付いていないのが特徴です。あとでご紹介する絽や紗といった盛夏に着る着物も裏地が付きません。
裏地がない着物なので軽くて涼しいんのですが、座ったり立ったりを繰り返しでお尻の部分の布が薄くなったりすることがあります。そういった事態を避けるために、お尻の部分に「居敷当て」(いしきあて)という布を裏に付けて補強します。
盛夏の着物の生地の代表的はものとして「絽」(ろ)と「紗」(しゃ)があります。絽はタテ糸を捩りながらヨコ糸と織り込んだ織り方で、着物の下に着た長襦袢が透けて見えるくらい涼しげな生地です。
絽の着物は、写真のように縞のような透ける部分があります。絽の着物の下にはもちろん長襦袢と肌着を着ますのでよっぽど派手な色でない限り下着は透けません。
絽はお茶会や結婚式などフォーマルな席にも着ていくことができるお着物ですので、絽の布地で訪問着や色無地などを1着仕立てておくと便利です。
着物の色にもよりますが、下の長襦袢がこれくらい透けて見えます。見た目にも涼やかで夏らしいですね。絽の下に着る長襦袢は柄ものだと透けてしまうので、白無地がオススメです。
紗は絽に比べて少しカジュアルな生地ですが、カジュアルからセミフォーマルまで幅広く着られます。紗は二本のタテ糸でヨコ糸一本ずつをからめて織った生地で、絽よりも透け感があります。
紗の着物を広がるとこれくらいの透け感があります。こうして見ると一目瞭然ですが、絽よりもかなり透けます。でもそのおかげで凄く涼しいのです。
絽とはまた違った魅力のある紗。その強い透けを生かしてお花などの地紋を入れると素敵です。このように濃い色だと長襦袢の白とのコントラストで地紋が浮き上がります。絽にはない、紗ならではの粋な着物です。
着物には季節でたくさん種類がありますが、小物類にも夏用のものがあります。長襦袢や帯揚げ、帯締めや帯にだって夏用があるんです。長襦袢や帯揚げは絽のものがたくさん売られています。
夏用の絽の長襦袢
もちろん着物の下に着る長襦袢にも夏用のものがあります。こちらは絽の二部式長襦袢です。絽の着物と合わせればバッチリですね。気軽に洗える素材のものがたくさん売られていますので、汗をかいても安心。
夏用の帯締め
こちらの帯締めはレースのように穴が開いているので、とても涼やかです。どんなお着物にも合わせやすいピンクで、一本持っておくと便利です。
夏用の絽の帯揚げ
帯揚げにも絽のものがあります。縞のように透けている部分があるので、こちらは絽のものになります。色は淡い色を選んでおけばどんな着物にも合わせられます。
夏用の紗の袋帯
もじり織で織られた絽織に近い紗織の袋帯です。オフホワイトにパステルカラーの配色なのでとても涼し気です。水色や黄緑色はもちろん、濃紺のお着物にも合う万能帯です。袋帯はフォーマルな帯なので、絽の訪問着や色無地とコーディネートすれば完璧です。
夏のお着物や小物について学んだところで、絽の着物のコーディネートをいくつかご紹介します。
絽の上品なうすむらさき色の色無地に、白の帯を合わせた見た目にも涼しいコーディネート。小物類も白系でまとめたお上品なスタイル。
絽の訪問着。裾の柄と帯が同じ白系でまとめられており、スッキリとしたコーディネート。帯締めはうすむらさき色で、少しだけアクセントに。
こちらも絽の訪問着。裾の柄が大きく、とても華やかな着物なのでパーティーなどに着ていくのにピッタリです。帯揚げと帯締めは紫系でまとめつつすこしグラデーションになっていて奥行のあるスタイル。クリー色の帯で可愛らしく。
いかがでしたか?夏に浴衣以外のお着物も着たくなりましたか?ポリエステルなど安価で、汗をかいても洗える夏着物がたくさん販売さえてるので、是非手にとってみてください。
夏着物では、代表的な「絽」と「紗」のほかにも「麻」など他にも種類があります。肌触りや着心地がそれぞれ異なるので自分の好きな夏着物を探してくださいね。
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