2016/04/17
花より団子
昔からお宮参りは、赤ちゃんが氏神様に認めていただいく事により、初めて家族の一員となることが出来る大切な行事です。お宮参りに行く際、着用する着物(初着)は大切な意味を持ちます。柄等にも意味があります。貴方はどんな着物を選び、お宮参りに行きますか?
昔は、赤ちゃんは生後2,3日で亡くなることも多く、少しでも永く、健康に・・・と氏神様にお願いしたのが、お宮参りの始まりです。生まれた赤ちゃんの健康と長寿を、その土地の守り神である産土神(うぶすながみ)に赤ちゃんの誕生を報告し、健やかな成長を願う、祝いに行く行事。地域や宗教、しきたり等によっても異なりますが、通常のお宮参りのお祝いは、男の子は生後31、32日目、女の子は32、33日目にお宮参りを行われる事が多い。
お宮参りの仕方、作法は基本的に、普段神社でお参りするのと同じです。神社の入口にある「手水舎」で手を洗い、口をすすいで身を清めます。それから社殿に進み、お賽銭をあげます。次に鈴を鳴らし、2回礼をし2回手を打ち、ここでお願いごとなど祈願して1回礼をします。「二礼、二拍手、一礼」と覚えましょう。
これを覚えておけば、お宮参りはもちろん、普段お参りする時もバッチリですね(^^♪
お宮参りは必ずという事は無く、生後30日前後で天候の良いの日や、家族、親類の揃う日にお宮参りを行なっても問題ありません。赤ちゃんと産後まもないお母さんの体調を考えて、暑い日や寒い日を避けてお宮参りに行ってあげましょう。(結婚式などのように仏滅がタブーなどといこともありません)
赤ちゃんは基本的には、父方のおばあちゃんが抱くのが一般的です。これは産後間もないお母さんを気遣っての慣わしであるようです。
ですが、現在はその様なしきたりに拘る必要はなく、母方のおばあちゃんでも、おじいちゃんでも問題ありません。
お宮参りが終わると、親戚などの家にお礼の挨拶回りをする風習もあるようですが、簡単なお食事会だけでも十分です。家族が集まってみんなで食事をする事に意義があります。
地域によってはお宮参りの日に、魔性をよけると言われている犬張子やでんでん太鼓などを送る風習もあります。
お宮参りの赤ちゃんの着物(初着)は「母方の実家で用意する」というしきたりが多いですが、現在は特に気にする事は無いようです。(御出産のお祝いとして贈られる方もいらっしゃいっます)
男の子の着物(初着)の一般的な柄は、「強く、元気な子に育って欲しい」という願いから、兜や鷹の柄が最も多いです。最近では変わり柄としては宝船、龍、虎、鯉などをあしらった着物もあります。一般的には黒地のものが主流ですが、紺色、白地、グレー地、緑色なども人気があります。
※男の子の初着(着物)には家紋を入れます。
着物(初着)の両胸2ヶ所・背中1ヶ所・裏側両袖2ヶ所の計5ヶ所に紋を入れる「五つ紋」。紋は嫁ぎ先の家紋(父系の家紋)を入れます。
①黒地・鷹・紅葉・花々・鼓
スタンダードな男の子の着物(初着)。
②水色・兜・鶴・花々
爽やかな水色の生地に兜の映える着物(初着)。
③黒字・紋付・兜
黒地にグレーの色模様に兜。
紋付の施されたシックな着物(初着)。
④白地・鷹・現代風
現代風の裾模様、背には一羽の鷹。
「カッコイイ」の中に「可愛らしさ」のある着物(初着)ですね。
⑤白地/ホワイトグレー/渋緑・虎・松の木
松の木を背景に岩に立つ虎。
色が全体的に渋めな色合いの着物(初着)。
⑥渋緑色の若松菱柄・青グレーの雲・龍
足元にある海または湖から渦巻く雲の中へ昇る龍が描かれています。
この柄をみると一つのストーリーが、願いが込めらてた着物(初着)に思えませんか?
⑦金色・兜・宝船・小槌・軍配・金茶変わり織紋様
この着物(初着)は圧巻ですね!
宮参りでは今だ見たことはありませんが、きっと青空に映えるでしょうね。
女の子の初着は、「優しく、美しく育って欲しい」という願いから、桜や牡丹など花柄のものが主流ですが、芍薬や菊なども人気のある柄です。また、古典的な手毬や御所車などから小柄な花柄などが人気です。その他にも、鞠や花車、鼓などの柄もあり種類は豊富です。着物の色は赤やピンクなどをはじめ黄色、最近ではエメラルドグリーンなど多くの色が作られるようになりました。
※女の子の初着(着物)には一般的に家紋は入れません。入れたいという希望がある場合には、背中に1ヶ所入れる「一つ紋」を。嫁ぎ元(母系)の紋を入れることが多いです。
①赤地・毬・花雲
雲の中に毬と花が描かれおり、またベースが赤一色に描かれておらず、赤を巧みに使い分け描かれた着物(初着)です。
②赤地/ピンク/水色・花車・古典調
水色に沿って花車が描かれているので、花車がより映えている着物(初着)です。
③白地・鶴・梅・桜
花々の中に鶴が舞っている一枚。
よく見ると白に近い、淡い花々の柄がりちりばめられています。
④青地・花車・熨斗目
絞り熨斗目の着物(初着)です。
真っ青ではなく、絞り生地のため、模様が綺麗に引き立ちます。
⑤白地・桜模様
全体的に優しい色合いですね。
七五三の時に使用するとしたら、帯は濃いめの物を使用すると色が締まりますよね♪
⑥黒地・檜扇文に七宝
黒地にシンプルなデザインの様に見えますが、扇を中心に柄が広がる様に描かれており、色合いもはっきりと描かれた着物(初着)です。
黒地とはいえ、配色が明るいので可愛らしい一枚です。
⑦黒地・ストライプ模様・花づくし(桜・梅・桃)
黒地を基調に、縦に白いストライプ模様が描かれ、さらに花柄を大きく重ねて描き、その隙間を埋め尽くす様に小さい花がちりばめられた、古典的でもあり、現代的でもある着物(初着)。
大人っぽさのある中にシンプルな大きな花の柄なので、とても可愛らしい一枚ですね。
⑧たまご色/黄色/クリーム色・鈴・絵巻物
鈴のちりばめられた可愛い一枚。
隠れキャラ的に一羽、真ん中に鳥がいます(^^)/
⑨淡いピンク地系・毬・梅・桜・菊
女の子らしい毬や毬同等の大きさの各花たちのちりばめられた着物(初着)です。
⑩白地・松の木・牡丹・梅・菊
珍しい着物(初着)ですね。
松の木を主体に、花々が全体的にちりばめられ咲いています。
とても目の引く一枚ですね。
宮参りの初着は別名「熨斗目(のしめ)」とも呼ばれ、横に段模様に配されたデザインのまさに熨斗目柄も縁起柄として人気があります。
宮参りで着物(初着)に付ける小物には意味があるんですよ!
身に着け方
この縁起物には親からの思いや願いが込められているです。
お宮参りの際、写真の様に身に着けます。
【 でんでん太鼓 】 ・・・ 「裏表のない子に育つように」「素直に育つように」
【 犬張子 】 ・・・ 犬は安産の象徴です。
無事に生まれた事への感謝と「病気をせず子犬のように元気に育つように」
【 熨斗の扇子 】 ・・・ 末広がりの幸せに恵まれるように
それぞれに祈りが込められているんです。
「糸目糊(いとめのり)」と呼ばれるモチ米を原料とした防染糊を柿渋紙で作った円錐型の筒に入れ、 糸目糊を白生地に細い線としてしごき出しながら柄を描きます。
手描友禅は伸子張りをした布地に下絵を描き、さらに糸目糊を使って下絵の上に模様の輪郭を書いていきます。これが友禅染の一番の特徴で「糸目置」といいます。
この糸目置きをすることで、友禅染が鮮やかな色を何色も使い分けられるのです。
色挿しに用いる染料は約20色あり、これらを調合して何十種類もの友禅独特の色を作り出します。その染料を使って糸目糊で書いた模様の一つ一つに刷毛や筆で色を付けていきます。最初は白、続いて淡い色からだんだんと濃い色へと順番に色を挿していきます。
色挿しが完成すると染料を定着させる為に「蒸し」という作業をし、その後水洗いをします。
これがかつて「友禅流し」と呼ばれていた作業です。
柿渋紙で作った型紙と色糊を用いて染める友禅技法の事で、 明治初期の京都でに合成染料の登場により開発された近代からの友禅です。
型紙を繰り返し使用出来るために、同じ柄で量産向きの染織方法とされていますが、 職人の手によって染められる型友禅は一色につき一枚の型紙で染めるため、 着物によっては百枚以上の型紙を使用することもあります。
職人さんによって染められる、本物の型友禅は熟練された技術と根気が必要です。 職人さんの手によって染められた本物の「型友禅」は高価な作品もあります。 また、同じく型紙を使った染物として有名なのは「江戸小紋」や沖縄の「紅型染め(びんがたそめ)」ですが、 こちらは「型染め」ではありますが「型友禅」ではありません。
友禅染はいくつかありますが、その中でも京友禅はもっとも古い歴史を持っています。
江戸時代の扇面絵師である宮崎友禅斎という人が、隣り合う色が混ざらない様にするために糸目糊(友禅糊)という防染糊を考案し染色を始めたのが友禅の始まりです。
模様のデザイン、下絵、糸目置、色挿し、糊伏せ、地染め、水洗い等約20種の工程があり、専門職がそれぞれ分業で行います。
この中でも友禅の主体となるのが色挿しという作業です。
現在では手描友禅と型友禅の2種類の技法があります。
近年では、インクジェットプリントでしたものを「友禅」と称する商品もあります。
インクジェットプリントはさらなる大量生産を実現し、購入し易くなる一方で、本物を目にする機会が無くなりつつあり、着物に対する知識が養われないことも危惧されています。
本物の友禅を見る機会がありましたら、是非、足と運んでみて下さい。
いかがでしたか?お宮参りから着物(初着物)、小物に至るまで全てに意味や祈りが込められているんです。その他にも、古典から現代に至る様々な物・文様が、柄となってまたは行事等に表現されています。
自分の時のお宮参りを考えると、親や父方や母方の祖父母も願ってくれていたのだと改めて思うとなんとも言えぬ思いがします。
まだご紹介したいと思いますが、着物(初着物)については、直接見て自分の感性にマッチした赤ちゃんへの一枚を見つけて下さい。
そして、その着物(初着物)を赤ちゃんに着せ、赤ちゃんとする初めての行事、お宮参りへ是非行かれて下さい。
宮参りに使用した着物(初着)は大切に保存して下さい。
七五三の際に、仕立て直せば男女児に関係なく着ることが出来ます。
せっかくの着物ですので、成長に合わせお子さんに着せれば、赤ちゃんの時を思い出し、感慨深いものにきっとなりますよ。
七五三は三才の祝いは「髪置の祝」と言われ、男女児ともそれまで剃っていた髪を伸ばし始めます。男児五才は「袴着の祝」と言い、初めて袴を着けます。女児は七才で衣服のつけ紐をはずし、初めて帯を結びます。この儀式を「紐落としの祝」 と呼びます。
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