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≪ 楽しい着物ライフ ≫ 着物の種類とTPOを知っろう!

無知は恥と言いますが、知らずに恥をかいてるなんて嫌ですよね。堂々と胸を張って着物を着るには、最低限、着物の種類と着ていいシーンを覚えておきましょう。それさえ押さえておけば季節ごとの着物も安心して楽しめます。洋服よりずっと種類が少ないので簡単ですよ。

着物の種類を知ろう

着物をおしゃれに着たーい!と言う方、まずは着物の種類を知りましょう。
種類を知らなければこんなおしゃれもできませんよ。
それどころか、無知なまま勝手に着た結果、周りの人に呆れられたり、クスッと笑われてしまうかも。
恥をかかないためにも、着物ライフを満喫するためにも、着物の種類は必ず知っておく必要があります。

着物種類 ≪ 礼装 ≫

黒紋付き ( 喪服 )

女性の最高位の着物で、家族の不祝儀における正装です。
背、両胸、両袖に染め抜きの五つ紋が入ります。

黒紋付を着ることは、故人に対してもちろんのこと、わざわざ時間を割いてお参りに来てくださる方に対する礼儀でもあります。

嫁ぎ先で不幸があった場合、慌てないように、嫁入道具として用意しておきましょう。

【 豆知識 】
黒紋付きの家紋には意味があります。
背中の紋・・・ご先祖様
両胸の紋・・・両親
両袖の紋・・・兄弟・親戚
を表し、十九歳の厄年の厄除け、嫁入り道具として、一族みんなで幸せを見守る、と言う意味合いがあります。

打掛

白無垢

神前結婚式には白無垢で、というファンも多い打掛です。
今はいろんな種類の白無垢があり、まるでドレスのようなものもあるんですよ。

【 白無垢の訳 】
白色は、世界共通で「穢れのない色」と言う認識がありそれは日本でも同じですが、ただ一つ違うのは、日本で白は死者を表す色でもあることです。
嫁ぐ際に最初に白無垢を着るのは、これまでの自分と決別し、生まれ変わって新しい家族へ仲間入りをするという意味なんです。

【 色打掛 】

色打掛

白無垢の次に着るのが色打掛です。
もともとは赤い打掛を着ていましたが、今ではいろんなカラー、いろんな種類の打掛があり、多くの芸能人も色打掛を着ています。

【 赤い打掛の訳 】
赤い打掛には意味があります。
赤色は赤ちゃんを表し、生まれるという意味があり、新しい家族として生まれ変わるという意味が込められているんです。

引き振袖 (本振袖 )

女性が最後に着る振袖になります。
打掛よりラフで、その分色遊びができる着物です。
成人式に着る振袖より袖が長いことと、打掛と同じようにふき(裾の部分)に綿が入ってふっくらしているのが特徴です。

黒留袖

結婚式で新郎新婦の母親が着ている着物です。
黒紋付きに次いで格の高い着物で、種類としては、既婚女性の第一礼装です。
黒紋付きと同じ染め抜きの5つ紋が入り、裾にだけ絵羽柄が入ります。
おめでたい席での最高位の着物ですので格調高い装いにしましょう。

色留袖

地色が黒以外の留袖のことを言います。
種類では既婚女性の第一礼装になり、黒留袖に次いで格の高い着物で、正式には黒留袖と同じく染め抜きの五つ紋は入りますが一般的には背中と両胸の三つ紋が主流です。
一つ紋にして、訪問着としても着れるようにする方もいます。
兄弟、姪・甥の結婚式、正式なセレプションに着用します。

家紋の格

家紋にも格があり、数が多いほど格が高くなります。
種類によっても格が違い、「抜き紋」と言って、白く染め抜く家紋が格が高く、糸で縫う「縫い紋」は格下となります。
第一級礼装には抜き紋を使用します。

振袖

種類は未婚女性の第一級礼装になります。
袖が長いほど格が高く、大振袖の袖丈は113cm前後、中振袖が100cm前後、小振袖が85cm前後になり、成人式で着られるのは中振袖が主流です。

着物種類 ≪ 準礼装 ≫

訪問着

≪ 訪問着の種類 ≫格の高い訪問着

種類としては既婚女性の準礼装で、親族ではない親戚や友人の披露宴、パーティーや御茶会など、あらたまった席に重宝な着物です。
縫い紋の一つ紋や三つ紋を入れて略色留袖として着用する方もいますが、格としては色留袖には及びません。

≪ 訪問着の種類 ≫格の低い訪問着

種類としては、先ほどの訪問着同様、既婚女性の準礼装ですが、柄の格が低いため、親戚や大事な方の結婚式には失礼に当たります。
礼を尽くす場ではモダン柄は遠慮しましょう。
格のある訪問着でも、洒落感の強いコーデも同じです。
友人の結婚式やパーティー、観劇やホテルでのディナーなど、少しカジュアルな席にはおススメです。

【 シーンを考えて柄を選ぶ 】
訪問着になると一気に遊び心のあるデザインが多くなります。
上の2枚の写真を見比べてもらえばわかるように、訪問着にも格があります。
古典柄の方が格が高く、モダン柄の方は一気に格が下がります。
遊び心を入れていい場面とそうでない場面を見極めて装いましょう。

付け下げ

訪問着と付け下げの違いは柄付けにあります。
訪問着と付け下げの柄付けの図を用意したので見比べてください。

訪問着 柄付け

訪問着の柄は、肩から胸、袖を通り裾までひと続きになった絵羽模様が特徴です。
着物と言うキャンバスに1枚の絵を描いた豪華な柄付けで、一般的には付け下げも同格とされていますが、もともと付け下げは第二次世界大戦中、訪問着が華美になり高価になっていく時代に質素な柄付けの着物として作られたのが付け下げですので、やはり少し格は下がりますね。

付け下げ 柄付け

未婚、既婚を問わず着られ、準礼装に近い着物で、訪問着の絵羽柄に対し、飛び柄になります。
友人の結婚披露宴やパーティー、クラス会や、茶会、他家への訪問、観劇など、正式な場や少しあらたまったお出かけの時に着用します。
お子様の入学式や卒業式にも良いです。

色無地 ( 家紋入り )

色無地とは、黒以外の色一色の柄のない着物を言います。
背紋を入れると訪問着と同格になり、慶弔両用の準礼装になります。
三つ紋を入れるともっと格は高くなりますが、あまり格を高くしてしまうと用途が限られてしまうので目立たないよう生地と同色の糸で影紋にして、お出掛け着から慶弔にも使えるようにするのがおススメです。
写真でも分かるように、帯がとても良く映えて見栄えも良く、洒落着としても活躍します。

【 慶弔用色無地 】
慶事用には明るめの色を選びましょう。
弔事用には、紫、グレー、小豆色、茶など暗めの色を選びましょう。

江戸小紋

江戸小紋は、小紋の中でも色無地の感覚に近く、極めて細かい模様を型染めしたものです。
柄がとても細かいので、遠目には無地に見えます。
お茶席やお子様の見合いの席、七五三や入学式などにも着用でき、一つ紋を入れると色無地紋付と同格になれる唯一の小紋です。
江戸小紋の着物は色無地と考えた方がいいですね。

江戸小紋は細かい柄ほど格調があるとされ、特に鮫、行儀、角通しは、江戸小紋三役と呼ばれる基本柄です。
武家の裃の柄の「定小紋」、庶民のユーモアから生まれた「いわれ小紋」などがあり、その数は数えきれないほどです。

小紋三役

上から「鮫」、「角通し」、「行儀」で、これが江戸小紋の代表格の小紋三役です。
アップの写真ですが、細かい柄が全体に描かれ、一見色無地のように見えます。
他にもたくさんの種類があり、楽しい柄もたくさんあります。

その他のほんの一例

これはほんの一例にすぎませんが、可愛い桜柄や、菊の柄、消化がよくお腹に“あたらない”(難にもあたらない)という意味を込めた「大根とおろし金」、てっちりなどにつきもので食べ合わせもいいと言われる「ふぐと茄子」など、楽しい柄を見つける楽しみもあります。
着物って、ほんとに遊び心が詰まっていますよね。

小紋寄せ

写真の着物はいろんな種類の江戸小紋柄を寄せた小紋寄せになります。
キルトのように寄せ集めたものもあればマーブルのように寄せ集めたものなどいろんな種類があり、そのため江戸小紋の数は数えきれないほどになります。
他にも、1種類の小紋柄の着物に絵羽柄を合わせた、江戸小紋の訪問着もあります。

着物の種類 ≪ 普段着 ≫

お召

お召の訪問着

これまでの着物は後染めの友禅でしたが、お召は織りの着物になります。
糸織りの一種で横糸に強い撚りをかけて織りあげた着物で、織りの着物として最高級のきものです。
織り柄とは関係ないため写真では違いをお伝えできませんが、シボのあるひんやりとした風合いは、紬と友禅のどちらにもない独特の個性があり、しわになりにくく、着やすく、着くずれもしにくいという特徴があります。
私も大好きな着物で、風合いがお伝えできないのが残念です。
江戸時代の将軍が着用されてことから「お召」と呼ばれたとも言われています。
将軍が着ていたとはいえ、織りの着物ですのでフォーマルには着用できません。

小紋

ハリネズミの小紋

着物好きにはたまらない着物です。
フォーマルは着る場所が決まってしまいますが、小紋は自由な着物です。
楽しく、思い切り自分らしいコーデができるお洒落着です。
着物の柄も帯の柄も多彩な種類があり、選ぶ時の楽しさは至極の時です。

本場大島紬付け下げ

写真の大島紬をはじめ、結城紬、牛首紬、赤城紬、塩沢紬etc、 いろんな種類がます。
琉球絣や小千谷縮など、絣や縮もその一つで、こちらもいろんな種類があります。
紬は言わば、わびさびの世界と普段着の気楽さを楽しめる着物です。
真の着物通にはたまらない、できることなら全て欲しいと思うのが紬で、最終的に行きつくところは紬と言えるでしょう。
紬のも訪問着はありますが、あくまで紬なのでどんなに高価なものでもフォーマルに着ることはできません。
格の高い紬なら、観劇やちょっとしたパーティー、ホテルでのお食事などに着用することはできます。

着物TPO

このように、着物の種類を知ると着る時期や着ていいシーンが分かり、着物選びも楽になって自信をもって着ることができます。
「この着物で大丈夫かしら?」なんて不安に思う必要がなくなるんです。
堂々と胸を張って着物を着るには着物のTPOを覚えておきましょう。

着物の種類を知って着物ライフを楽しみましょう!

中島美嘉さんのおしゃれな着こなしです。
さすがに一般の人が結婚式以外で引き振袖はなかなか着れませんが、着物の種類とTPOを知れば、もっともっと着物でおしゃれができます。
和装は難しいと思われがちですが、洋服の種類多さに比べれば圧倒的に少ないんです。
着物姿はとても美しく、洋服にはない楽しみ方があります。
皆さんも着物の世界にどっぷり浸かってください。

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